優しいカレーだなぁ、とある人は言いました。
私はひとくち食べて、おもしろい味だなぁ、と思いました。
優しさは特に感じませんでした。
ふたくちめには、白いゴツゴツしたやつをパクリとやりました。
意外な歯ごたえに、おぉっと小さく驚いて、新鮮な口触りを楽しみました。
みくちめには、もう面白い味は消え、白いゴツゴツしたやつや、まあるいプチプチしたものの虜となり、
うっかり美味しいなコレ、と呟いていました。
その味は、海のようでもあり、山のような様子も感じさせ、どこか懐かしい異国の暑い日の香りのようでもありました。
さぁ、そうなると、風のような速さで皿の上の景色は消えていくのです。
あれよあれよ。
そうして残されたものは、満たされた喜びの脳みそ胃袋とともに、まどろむのでありました。
本日のカレー:『カリフラワーと2種の豆カレー』